認知症の親の家は売れる?成年後見と家族信託|千歳不動産

認知症・成年後見編

認知症の親の家は売れる?
——「意思能力」を失うと不動産は凍結されます

親が施設に入ることになり、空いた実家を売って入居費用にあてたい。ところが銀行や不動産会社から「ご本人の意思確認ができないと売却できません」と言われた——このご相談が年々増えています。

不動産の売買契約には意思能力が必要です(民法3条の2)。認知症が進行して判断能力を失うと、たとえ本人名義の家であっても、家族が代わりに売ることはできません。「資産の凍結」と呼ばれる状態です。本記事では、なぜ売れないのか、成年後見制度と家族信託の違い、居住用不動産を売る際の家庭裁判所の許可、そして元気なうちにできる備えまでを解説します。

なぜ認知症だと家が売れないのか

感情論ではなく、法律上の理由があります。

2020年施行の改正民法3条の2は、「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と定めています。

不動産の売買契約は、典型的な法律行為です。売主に意思能力がなければ、その契約は無効。後から「あの契約は無効だった」と主張されるリスクがあるため、不動産会社も司法書士も金融機関も、意思能力に疑いがある取引には関与しません。

⚠️ 認知症により「凍結」される主なもの
  • 不動産の売却・賃貸・担保設定
  • 預貯金の引き出し・解約(銀行が口座を凍結)
  • 定期預金の解約
  • 有価証券の売却
  • 生命保険の解約・受取人変更
  • 遺産分割協議への参加
  • 大規模なリフォーム契約
  • 施設入所契約(施設により対応が分かれる)
1
「家族なら代わりにできる」は誤りです
配偶者でも子でも、本人の代わりに不動産を売る権限はありません。親族だから当然に代理権があるという法制度は日本にはありません。委任状を書いてもらおうにも、意思能力がなければその委任状自体が無効です。
2
同居していても、介護していても関係ない
何十年も同居し、介護を担ってきたとしても、法律上の代理権は生じません。「実質的に管理してきた」という事実は、売買契約の有効性とは無関係です。
3
本人名義である限り、動かせない
登記名義が親のものであれば、売却できるのは親本人(または法定代理人)だけです。子が勝手に登記を移すことは、私文書偽造・公正証書原本不実記載などの犯罪にあたります。
4
施設費用に困っても例外はない
「入居費用が払えないから家を売りたい」という切実な事情があっても、法律上の扱いは変わりません。だからこそ元気なうちの備えが決定的に重要になります。
⚠️ この問題は今後さらに増えます
高齢化の進行により、認知症の方が保有する不動産・金融資産は増え続けています。「まだ大丈夫」と思っている間に判断能力が低下し、対策の選択肢がなくなる——これが実務で最も多いパターンです。

意思能力の有無はどう判断されるか

「認知症=即売却不可」ではありません。程度が問題になります。

認知症の診断を受けていても、その取引の意味を理解できる程度の判断能力があれば、売買契約は有効です。逆に診断を受けていなくても、実質的に判断能力を失っていれば無効となります。

段階状態の目安不動産の売却
軽度物忘れはあるが、日常生活や会話に大きな支障はない可能なことが多い
中等度日付・場所が分からないことがある。判断に不安があるケースバイケース(要慎重判断)
重度家族の認識が困難。意思疎通が難しい不可(成年後見が必要)
1
判断するのは司法書士と不動産会社
実務上、決済の場で司法書士が本人と面談し、意思確認を行います。「この家を売ることを理解していますか」「売却代金はいくらか分かりますか」「なぜ売るのですか」といった質問に対して、本人の言葉で答えられるかが判断材料になります。

司法書士が意思能力に疑いを持てば、登記申請を受任しません。登記ができなければ取引は成立しません。
2
診断書があると判断しやすい
主治医から「契約締結に必要な判断能力を有する」旨の診断書を取得しておくと、取引がスムーズに進みます。長谷川式スケールやMMSEといった認知機能検査の結果が添付されることもあります。
3
「日によって波がある」場合の扱い
認知症は日や時間帯によって状態が変動することがあります。調子の良いときに契約すればよいという考えは危険です。後日「あのときは判断能力がなかった」と争われれば、契約が覆るリスクがあります。
4
無理に進めると後で大問題になる
意思能力に疑いがあるまま契約を進め、後に無効と判断されると、売買代金の返還、買主への損害賠償、登記の抹消といった事態になります。他の相続人から訴えられるケースもあります。
⚠️ 「まだ話せるから大丈夫」で進めないでください
ご家族の目には「普通に会話できている」と映っても、司法書士の面談で不十分と判断されることは実際にあります。決済当日に取引が止まれば、買主にも迷惑がかかります。事前に専門家へ相談してください。
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成年後見制度を使って売却する

判断能力を失った後の、法律上唯一の正攻法です。

すでに判断能力を失っている場合、法定後見制度を利用します。家庭裁判所が選任した成年後見人が、本人に代わって財産管理を行います。

類型対象となる状態代理権
後見判断能力が欠けているのが通常包括的な代理権
保佐判断能力が著しく不十分重要な行為の同意権・特定の代理権
補助判断能力が不十分申立ての範囲で同意権・代理権
項目内容
申立先本人の住所地を管轄する家庭裁判所
申立てできる人本人・配偶者・四親等内の親族・検察官・市町村長など
必要書類申立書、診断書、財産目録、戸籍謄本、住民票、登記されていないことの証明書など
費用申立手数料800円、登記手数料2,600円、郵便切手、鑑定費用10万〜20万円(必要な場合)
審理期間2〜4ヶ月程度
後見人の報酬月額2万〜6万円程度(財産額により変動)
期間原則として本人が亡くなるまで継続
⚠️ 後見人は家族が選ばれるとは限りません
申立時に候補者を挙げることはできますが、最終的に誰を選任するかは家庭裁判所が決めます。財産額が大きい場合や親族間に対立がある場合、司法書士・弁護士などの専門職後見人が選任されることが多くあります。

専門職が選任されると、月額2万〜6万円の報酬が本人の財産から継続的に支払われます。10年続けば240万〜720万円です。
1
不動産売却だけのために使うには重い制度
成年後見は「家を売るための手続き」ではなく「本人の財産全体を継続的に管理する制度」です。売却が終わっても後見は続き、本人が亡くなるまで報酬が発生します。この点を理解せずに申し立てて、後悔されるケースがあります。
2
審理に2〜4ヶ月かかる
申立てから選任まで時間がかかります。「来月までに施設費用が必要」といった急ぎのケースには間に合いません。鑑定が必要と判断されればさらに延びます。
3
後見人は本人の利益のためだけに動く
成年後見人の職責は本人の財産を守ることです。「家族が使いたいから売る」という理由では動きません。売却の必要性・合理性を裁判所に説明できることが前提になります。
4
一度始めたら原則やめられない
本人の判断能力が回復しない限り、後見は継続します。「売却が終わったから後見をやめたい」ということはできません。

居住用不動産には家庭裁判所の許可が必要

成年後見人がついても、自由に売れるわけではありません。

民法859条の3は、成年後見人が本人の居住用不動産を処分する場合、家庭裁判所の許可を得なければならないと定めています。

📖 「居住用不動産」の範囲(想像より広い)
  • 現在住んでいる建物とその敷地
  • 過去に住んでいた建物(施設入所前の自宅を含む)
  • 将来住む可能性のある建物
  • 入院・施設入所により現在は空き家になっている自宅
  • 施設に入って空き家になった実家も「居住用不動産」に該当します
行為許可の要否
居住用不動産の売却必要
居住用不動産の賃貸必要
居住用不動産への抵当権設定必要
居住用不動産の賃貸借契約の解除必要
取り壊し必要
非居住用不動産(投資用等)の売却不要(ただし後見監督人がいれば同意が必要)
1
許可を得るには「必要性」の説明が要る
裁判所は本人の利益になるかを審査します。典型的に認められるのは次のようなケースです。

・施設入所費用や 医療費の捻出が必要
・本人が自宅に戻る見込みがない
・空き家の維持費が本人の財産を圧迫している
・老朽化により倒壊等の危険がある
2
売却価格の妥当性も審査される
相場と比べて著しく安い価格での売却は許可されません。複数社の査定書を添付し、価格の妥当性を示す必要があります。当社の査定書も資料としてご利用いただけます。
3
許可を得ずに売却すると無効
家庭裁判所の許可なく居住用不動産を処分した場合、その処分行為は無効です。登記も受理されません。
4
許可申請にも1〜2ヶ月かかる
後見人選任に2〜4ヶ月、その後の売却許可に1〜2ヶ月。合計で半年近くかかることを見込んでおく必要があります。
1
成年後見開始の申立て(家庭裁判所)

診断書・財産目録等を揃えて申し立てます。司法書士・弁護士に依頼するのが一般的で、報酬は10万〜20万円程度です。

2
後見人の選任(2〜4ヶ月)

家庭裁判所が審理し、後見人を選任します。親族が選ばれる場合と、専門職が選ばれる場合があります。

3
不動産の査定を複数社から取得

売却価格の妥当性を裁判所に示すため、複数の査定書を用意します。当社の査定書もご利用いただけます。

4
居住用不動産処分許可の申立て(1〜2ヶ月)

売却の必要性、価格の妥当性、買主の情報を示して許可を求めます。

5
許可取得後、売買契約・決済

許可審判書を添えて登記申請を行います。ここまでで半年程度を要するのが一般的です。

成年後見のデメリットと注意点

申し立てる前に、必ず理解しておくべきことです。

1
本人が亡くなるまで続く
最大の注意点です。「不動産を売るため」に始めた後見も、売却完了後に終わることはありません。本人の判断能力が回復しない限り、死亡まで継続します。
2
報酬が継続的に発生する
専門職後見人が選任された場合、月額2万〜6万円(財産額により変動)が本人の財産から支払われます。加えて後見監督人が付くと、その報酬も発生します。10年で数百万円の負担になります。
3
家族が自由に財産を使えなくなる
後見開始後は、本人の財産と家族の財産が明確に分離されます。「同居の家族が本人の預金から生活費を出す」といったこれまでの運用ができなくなります。家族への贈与や、相続税対策も原則として行えません。
4
毎年、裁判所への報告義務がある
後見人は年1回、財産目録と収支状況を家庭裁判所に報告します。親族後見人の場合、この事務負担が想像以上に重いという声が多くあります。
5
相続税対策が止まる
生前贈与、アパート建築、生命保険の活用といった相続税対策は、本人の利益にならないとして原則認められません。後見が始まると、税務上の対策は事実上ストップします。
成年後見(法定後見)家族信託
開始できる時期判断能力を失った後でも可判断能力があるうちだけ
手続き家庭裁判所への申立て公正証書による信託契約
管理する人裁判所が選任(家族とは限らない)本人が指定できる
居住用不動産の売却裁判所の許可が必要契約内容の範囲で自由
ランニングコスト月2万〜6万円(専門職の場合)原則なし
初期費用10万〜30万円程度30万〜100万円程度
相続税対策原則不可契約内容による
終了時期本人の死亡まで契約で定めた時期

家族信託という選択肢

判断能力があるうちなら、より柔軟な方法があります。

家族信託(民事信託)は、財産の管理・処分の権限を、信頼できる家族に生前のうちに移しておく仕組みです。信託法に基づく契約で、公正証書で作成するのが一般的です。

📖 家族信託の基本的な登場人物
  • 委託者:財産を託す人(=親)
  • 受託者:財産を管理・処分する人(=子など)
  • 受益者:利益を受ける人(=通常は親自身)
  • → 名義は受託者に移るが、利益は親のものという構造
1
認知症になっても売却できる
最大の利点です。信託契約で「受託者は信託不動産を売却できる」と定めておけば、親の判断能力が失われた後でも、子の判断で売却できます。家庭裁判所の許可も不要です。
2
ランニングコストがかからない
成年後見と違い、月額報酬は発生しません。初期費用(30万〜100万円程度)はかかりますが、長期的には成年後見より安くなるケースが多くあります。
3
二次相続以降まで指定できる
「親が亡くなったら配偶者へ、配偶者が亡くなったら長男へ」というように、数世代先まで承継先を指定できます(受益者連続型信託)。遺言ではできない設計です。
4
判断能力があるうちしか契約できない
これが決定的な制約です。信託契約も法律行為ですから、契約時点で本人に意思能力が必要です。認知症が進行してからでは使えません。
5
身上監護はカバーできない
家族信託は財産管理の仕組みであり、施設入所契約や医療同意といった身上監護は対象外です。必要に応じて任意後見と併用します。
⚠️ 家族信託は「元気なうち」限定の選択肢です
「そろそろ心配だから家族信託を」とご相談いただいても、すでに判断能力が低下していれば契約できません。この制度を使えるかどうかは、行動を起こすタイミングで決まります。
親御さんがまだお元気なうちに
実家をどうするかは、判断能力があるうちにしか選べない選択肢があります。
連携司法書士とともに、家族信託を含めたご相談に応じます。
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元気なうちにできる5つの備え

この記事で最もお伝えしたい部分です。

1
① 実家をどうするか、家族で話しておく
最も基本的で、最も効果があります。「自分が施設に入ったら家は売っていい」という本人の意思が明確になっているだけで、その後の判断が格段に楽になります。

あわせて購入時の売買契約書の保管場所も確認してください。これがないと、売却時の譲渡所得税が大幅に増えます(概算取得費5%の問題)。
2
② 家族信託を検討する
不動産の売却を想定するなら、最も柔軟な手段です。判断能力があるうちにしか契約できないため、検討するなら早い方が有利です。司法書士・弁護士への相談が必要です。
3
③ 任意後見契約を結んでおく
将来判断能力が低下したときに備えて、あらかじめ後見人を自分で指定しておく制度です。公正証書で契約します。

法定後見と違い後見人を自分で選べるのが利点ですが、居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要な点は同じです。
4
④ 生前に売却してしまう
本人が元気なうちに売却し、現金化しておく方法です。最もシンプルで確実。施設入所費用が確保でき、相続時の遺産分割も現金なので揉めにくくなります。

空き家のまま何年も保有すると、固定資産税・管理費に加えて建物の劣化が進みます。「住まなくなった時点」が売却の好機です。
5
⑤ 遺言書を作成しておく
不動産の承継先を明確にしておけば、相続後の遺産分割協議が不要になります。公正証書遺言にしておけば、家庭裁判所の検認も不要です。
タイミング使える選択肢
判断能力あり生前売却・家族信託・任意後見・遺言・すべて可能
判断能力が低下し始めた家族信託・任意後見は難しくなる
判断能力なし法定後見のみ(時間・費用・制約が大きい)
相続発生後相続人が売却可能(ただし遺産分割協議が必要)
⚠️ 選択肢が多いのは「今」だけです
判断能力が低下するほど、取れる手段は減っていきます。最も選択肢が多いのは、親御さんがお元気な現在です。「まだ早い」と思っている時期こそ、最も自由に決められる時期です。

相続が発生してからの売却

親が亡くなった後であれば、状況は大きく変わります。

相続が発生すると、不動産は相続人のものになります。相続人に判断能力があれば、通常どおり売却できます。認知症による凍結という問題は解消されます。

ただし、別の課題が生じます。

1
相続人全員の同意が必要になる
遺言がなければ、遺産分割協議で誰が取得するかを決める必要があります。相続人が1人でも反対すれば売却できません。
2
相続人の中に認知症の方がいると再び止まる
典型的なのは父が亡くなり、母が認知症というケースです。母も相続人ですから、遺産分割協議には母の参加が必要。しかし判断能力がなければ協議できず、結局ここで成年後見の申立てが必要になります。
3
相続登記が必要
2024年4月から相続登記は義務化されました。取得を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象です。売却前に登記を済ませる必要があります。
4
税制の期限に注意
相続税の申告・納付は10ヶ月、取得費加算の特例は約3年10ヶ月、空き家の3,000万円特別控除にも期限があります。認知症の親の介護に追われている間に、これらの期限が過ぎてしまうケースがあります。
✅ 千歳不動産がお手伝いできること
  • 売却できる状態かの見極め(連携司法書士とともに確認)
  • 成年後見の申立てが必要な場合の専門家紹介(司法書士・弁護士)
  • 家族信託のご相談(判断能力がある段階での組成)
  • 裁判所提出用の査定書の発行(居住用不動産処分許可の資料に)
  • 相続登記が未了でも対応(司法書士連携で同時並行決済)
  • 残置物そのまま・現状買取(片付け不要)
  • 契約から最短3日で決済(施設費用・相続税の期限に対応)
  • 関東1都6県全域・208エリア対応
⚠️ 裁判所提出用の査定書もお出しできます
居住用不動産処分許可の申立てでは、売却価格の妥当性を示す査定書が必要になります。当社の査定書もこの資料としてご利用いただけます。査定は無料で、実際に当社に売却されなくても構いません。

千歳不動産では、認知症のご家族を抱えた不動産のご相談を数多くお受けしています。売却できるのか、成年後見が必要なのか、家族信託は間に合うのか。まずは現状を整理するところからお手伝いします。

「まだ売ると決めていない」「何から手をつけていいか分からない」という段階でのご相談も歓迎です。査定・ご相談は完全無料、押し売りや追客のご連絡もいたしません。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供です
成年後見・家族信託の手続きは個別の事情によって大きく異なります。実際の手続きにあたっては、必ず司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。当社は法律事務を行う立場にはありませんが、連携専門家のご紹介は可能です。

よくあるご質問

Q 認知症の親名義の家を、子が代わりに売ることはできますか?
A
できません。不動産の売買契約には意思能力が必要で、家族であっても当然に代理権があるわけではありません。委任状を書いてもらおうにも、意思能力がなければその委任状自体が無効です。成年後見人を選任してもらうか、判断能力があるうちに家族信託等の対策をしておく必要があります。
Q 認知症の診断を受けていますが、会話はできます。売却は可能ですか?
A
可能なケースがあります。「認知症=即売却不可」ではなく、その取引の意味を理解できる程度の判断能力があるかが基準です。実務では決済時に司法書士が本人と面談して確認します。主治医から契約締結能力がある旨の診断書を取得しておくと、取引がスムーズです。まずはご相談ください。
Q 成年後見人には家族がなれますか?
A
候補者として申立てはできますが、最終的に誰を選任するかは家庭裁判所が決めます。財産額が大きい場合や親族間に対立がある場合、司法書士・弁護士などの専門職が選任されることが多くあります。専門職が選任されると月額2万〜6万円程度の報酬が本人の財産から継続的に支払われます。
Q 成年後見人がつけば、すぐに家を売れますか?
A
すぐには売れません。居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要で、この申立てに1〜2ヶ月かかります。後見人選任に2〜4ヶ月、許可に1〜2ヶ月で、合計半年程度を見込んでください。なお施設に入って空き家になった実家も「居住用不動産」に該当します。
Q 成年後見は不動産を売った後に終わりますか?
A
終わりません。成年後見は本人の判断能力が回復しない限り、死亡まで継続します。「家を売るための手続き」ではなく「財産全体を継続的に管理する制度」である点にご注意ください。専門職後見人の報酬も継続的に発生します。
Q 家族信託と成年後見はどちらがよいですか?
A
判断能力があるうちなら家族信託の方が柔軟です。管理する人を自分で指定でき、居住用不動産の売却に裁判所の許可も不要で、月額報酬も発生しません。ただし判断能力を失った後は家族信託を契約できないため、その場合は法定後見しか選択肢がありません。
Q 親が施設に入り、実家が空き家になっています。今のうちに売った方がよいですか?
A
判断能力がおありなら、売却の選択肢が最も広い時期です。空き家のまま保有すると固定資産税・管理費に加えて建物の劣化が進み、価値が下がっていきます。また判断能力が低下すると手続きが煩雑になります。「住まなくなった時点」が売却を検討する好機です。
Q 居住用不動産処分許可の申立てに、査定書は必要ですか?
A
売却価格の妥当性を示すため、複数社の査定書を添付するのが一般的です。当社の査定書もこの資料としてご利用いただけます。査定は無料で、実際に当社へ売却されなくても費用は発生しません。

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