相続した実家を売ったときの税金

相続・税金編

相続した実家を売ったときの税金は?
譲渡所得税の計算と「取得費が分からない」問題

相続した実家を売却して現金が入った——ほっとしたのも束の間、翌年の確定申告で想定外の税額を突きつけられるケースがあります。原因のほとんどは、「取得費が分からない」という一点に集約されます。

親がいつ・いくらでその家を買ったのかを示す売買契約書が見つからない場合、税法上は売却代金の5%しか取得費として認められません。3,000万円で売れば2,850万円が課税対象になるという計算です。本記事では、譲渡所得税の基本構造、取得費が不明な場合の対処法、相続税の取得費加算の特例、そして使える控除の整理まで、相続不動産を専門に扱う千歳不動産が解説します。

相続不動産の売却でかかる税金の全体像

まず、相続から売却までにどんな税金が発生するのかを整理しておきましょう。

タイミング税金・費用概要
相続時相続税基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合のみ
相続登記時登録免許税固定資産税評価額×0.4%
保有中固定資産税・都市計画税毎年1月1日時点の所有者に課税
売却時譲渡所得税・住民税売却益に対して課税。本記事の主題
売却時印紙税売買契約書に貼付。1,000万円超5,000万円以下なら1万円
売却の翌年復興特別所得税所得税額×2.1%

このうち、相続人の方が最も見落としやすく、かつ金額が大きくなりがちなのが譲渡所得税・住民税です。相続税は基礎控除が大きいため課税されないケースも多いのですが、譲渡所得税は売却益さえ出れば課税されます

⚠️ 相続税がかからなくても譲渡所得税はかかる
「相続税の申告が不要だったから、税金の心配はない」と考える方が非常に多いのですが、これは別の話です。相続税と譲渡所得税はまったく別の税目であり、相続税がゼロでも譲渡所得税が数百万円になることは珍しくありません
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譲渡所得税は「分離課税」
給与所得などとは合算せず、独立して税額を計算します(申告分離課税)。そのため、他の所得が少なくても税率が下がることはありません。
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納付は売却の翌年
売却した年の翌年2月16日〜3月15日に確定申告し、納付します。住民税はさらにその後、6月頃から納付が始まります。売却代金を使い切ってしまい、納税資金がないという事態は実際に起こります。
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売却益が出なければ課税されない
取得費と譲渡費用の合計が売却代金を上回れば、譲渡所得はマイナス(譲渡損失)となり、課税されません。ただし後述のとおり、取得費が不明だと譲渡損失を証明できなくなります。

譲渡所得税の計算式と税率

計算の構造はシンプルです。ここを理解すれば、税額のおおよその見当がつきます。

📐 譲渡所得の計算式
  • 譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
  • 譲渡価額:実際の売却代金
  • 取得費:購入代金 + 購入時の諸費用 − 建物の減価償却費
  • 譲渡費用:仲介手数料、測量費、解体費、印紙税など売却のためにかかった費用
  • 特別控除:3,000万円の特別控除など、要件を満たす場合に適用

この譲渡所得に税率を掛けたものが税額になります。税率は所有期間によって2段階に分かれます。

区分所有期間所得税住民税合計
短期譲渡所得5年以下30%9%39.63%
長期譲渡所得5年超15%5%20.315%

※所得税には復興特別所得税(所得税額×2.1%)が上乗せされています。所有期間は売却した年の1月1日時点で判定します。

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計算例:取得費が分かる場合
親が1980年に1,500万円で購入した家を、3,000万円で売却。譲渡費用100万円、建物の減価償却後の取得費が1,200万円だったとします。

譲渡所得 = 3,000万円 −(1,200万円 + 100万円)= 1,700万円
税額 = 1,700万円 × 20.315% ≒ 345万円
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計算例:取得費が分からない場合
同じ物件で、購入時の契約書が見つからないケース。取得費は概算で売却代金の5%となります。

取得費 = 3,000万円 × 5% = 150万円
譲渡所得 = 3,000万円 −(150万円 + 100万円)= 2,750万円
税額 = 2,750万円 × 20.315% ≒ 558万円

契約書の有無だけで、税額に213万円の差が生じます。
⚠️ この差額こそが本記事の核心です
相続不動産の売却で税額が跳ね上がる原因は、税率でも売却価格でもなく、取得費を証明できるかどうかにあります。次のセクションで詳しく見ていきます。

「取得費が分からない」が最大の落とし穴

相続不動産では、購入時の資料が残っていないケースが圧倒的多数です。

所得税法38条は、取得費を「資産の取得に要した金額」と定めています。これを証明する第一の資料が購入時の売買契約書です。しかし、親が40年前・50年前に購入した家の契約書が保管されているケースは、実務上そう多くありません。

証明できない場合、租税特別措置法31条の4により「譲渡価額の5%」を概算取得費として計上することが認められています。救済規定のように見えますが、実際にはほとんどのケースで実額より大幅に低くなるため、納税者に不利に働きます。

売却価格概算取得費(5%)課税対象(譲渡費用100万円と仮定)税額(長期20.315%)
1,000万円50万円850万円約173万円
2,000万円100万円1,800万円約366万円
3,000万円150万円2,750万円約558万円
5,000万円250万円4,650万円約944万円
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なぜ契約書が残っていないのか
相続が発生する頃には、購入から30〜60年が経過しています。その間に引越し、リフォーム、遺品整理があり、書類は失われがちです。加えて、購入した本人が亡くなっているため「どこにしまったか」を聞くこともできません
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空き家の3,000万円控除が使えれば緩和される
要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特別控除」により、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。これが適用できれば、取得費が5%でも税額をゼロにできる場合があります。ただし要件が細かく、適用できないケースも多い点に注意が必要です。
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譲渡損失も証明できなくなる
実際には購入価格より安く売った(損をした)場合でも、取得費を証明できなければ「5%で買ったもの」として扱われ、帳簿上は大きな利益が出たことになります。損をしたのに税金を払う、という理不尽な結果が生じます。
⚠️ 遺品整理の前に、必ず書類を探してください
相続不動産で最も価値のある「遺品」は、実は購入時の売買契約書かもしれません。数百万円の税額を左右します。遺品整理業者に一括処分を依頼する前に、書類関係だけは必ずご自身で確認してください。

概算取得費5%を回避する方法

契約書がなくても、取得費を立証できる可能性はあります。諦める前に試す価値のある手段を挙げます。

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売買契約書以外の資料を探す
契約書そのものがなくても、購入金額が分かる資料は複数あります。以下は実務で認められた例があるものです。
🔍 取得費の証明に使える可能性のある資料
  • 購入時の領収書・振込控え
  • 住宅ローンの金銭消費貸借契約書(借入額から購入価格を推認)
  • ローン返済予定表・完済証明書
  • 通帳の出金記録(購入時期に大きな支出があれば根拠になる)
  • 登記事項証明書の抵当権設定額(借入額の目安になる)
  • 不動産業者が保管しているパンフレット・価格表
  • 購入時の仲介業者に照会(古い業者でも記録が残っていることがある)
  • 分譲マンションなら管理組合や分譲会社に照会
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市街地価格指数を使った推計
一般財団法人日本不動産研究所が公表する「市街地価格指数」を使い、売却価格から購入時点の価格を逆算する方法です。国税不服審判所の裁決で認められた例があり、実務でも使われています。

ただし税務署が必ず認めるとは限りません。適用には条件があり、土地についてのみ、かつ購入時期が明確であることなどが求められます。必ず税理士に相談してから使ってください。
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建築費用の証明(建物部分)
建物を新築した場合、建築確認申請書、工事請負契約書、建築代金の領収書などが取得費の根拠になります。土地と建物で別々に証明することも可能です。
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登記済権利証・登記識別情報を確認する
権利証そのものに購入価格は書かれていませんが、一緒に保管されている書類の中に契約書の写しや領収書が挟まっていることがあります。相続登記の際に司法書士が扱うので、そのタイミングで確認するとよいでしょう。
⚠️ 自己判断で推計しないこと
市街地価格指数による推計は、税務署に否認されるリスクがあります。否認されると過少申告加算税・延滞税が上乗せされ、かえって負担が増えます。必ず税理士に依頼し、根拠資料を整えたうえで申告してください。当社では連携税理士のご紹介も行っております。

相続税の取得費加算の特例

相続税を納めた方は、その一部を取得費に上乗せできる制度があります。

相続によって取得した財産を一定期間内に売却した場合、支払った相続税のうち、その不動産に対応する部分を取得費に加算できます(租税特別措置法39条)。これを「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」といいます。

項目内容
適用できる人相続税を実際に納付した相続人
対象財産相続または遺贈により取得した財産
期限相続開始の日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで
実質的な期間相続開始から約3年10ヶ月以内
加算額相続税額 × (その不動産の相続税評価額 ÷ 相続財産の合計額)
手続き確定申告時に「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」を添付
⚠️ 3年10ヶ月という期限を意識してください
この特例は相続開始から約3年10ヶ月という明確な期限があります。「いつか売ろう」と先延ばしにしているうちに期限を過ぎ、数百万円の節税機会を失うケースが実際にあります。相続税を納めた方は、この期限を必ずカレンダーに記録してください。
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相続税を納めていない人は使えない
基礎控除内に収まり相続税がゼロだった場合、加算する相続税額が存在しないため、この特例は使えません。適用できるのは相続税を実際に納付したケースに限られます。
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空き家の3,000万円控除とは併用できない
「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特別控除」と、この取得費加算の特例は選択適用です。両方は使えません。どちらが有利かは個別のケースによるため、税理士に試算してもらうのが確実です。
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相続人ごとに計算する
加算額は、その相続人が納めた相続税額を基準に計算します。複数の相続人が共有で相続し、それぞれの持分を売却した場合、各自が自分の相続税額に応じて加算することになります。
💡 どちらの特例を選ぶかの目安
  • 相続税を多く納めた → 取得費加算の方が有利になりやすい
  • 相続税がゼロ・少額 → 空き家3,000万円控除を検討
  • 売却益が3,000万円以下 → 空き家控除で税額ゼロにできる可能性
  • 売却益が大きい → 両方を試算して有利な方を選択

所有期間の判定は「親の代」から引き継ぐ

相続不動産ならではの、納税者に有利なルールです。

譲渡所得の税率は所有期間5年を境に約2倍の差が生じますが、相続の場合、所有期間は被相続人(親)が取得した日から通算されます(所得税法60条)。相続した日からカウントし直すのではありません。

📅 具体例
  • 親が1985年に購入 → 2025年に死亡し相続 → 2026年に売却
  • 所有期間は1985年から通算されるため約41年
  • 長期譲渡所得(20.315%)が適用される
  • 相続した2025年から数えるのではない点に注意
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取得費も引き継ぐ
所有期間だけでなく、取得費も被相続人のものをそのまま引き継ぎます。これを「取得費の引継ぎ」といいます。だからこそ、親がいくらで買ったかが重要になるのです。
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相続税評価額は取得費にならない
よくある誤解です。相続税の申告で使った評価額(路線価ベース)は、譲渡所得の計算における取得費にはなりません。あくまで被相続人の購入価格が基準です。
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贈与の場合も同じ
生前贈与で受け取った不動産も、取得費と所有期間を引き継ぎます。ただし贈与税との関係が複雑になるため、個別の検討が必要です。
⚠️ 短期譲渡になるのは特殊なケース
相続不動産で39.63%の短期譲渡所得が適用されるのは、被相続人自身が購入して5年以内に亡くなった場合など、限られたケースです。多くの相続案件では長期譲渡所得(20.315%)が適用されます。

確定申告の手順と必要書類

売却した翌年の申告に向けて、準備すべきものを整理します。

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【売却直後】書類を保管する

売買契約書、仲介手数料の領収書、決済時の精算書、登記費用の領収書など、売却に関わるすべての書類をひとまとめにして保管します。譲渡費用として計上できるものが多く含まれています。

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【売却年の年末まで】取得費の資料を確定させる

購入時の契約書を探し、見つからない場合は代替資料の収集や、市街地価格指数の適用可否を税理士と検討します。この作業に最も時間がかかりますので早めに着手してください。

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【翌年1月】特例の適用可否を判定する

空き家3,000万円控除、取得費加算の特例、居住用財産の特例など、使える制度を洗い出します。要件を満たすための書類(被相続人居住用家屋等確認書など)は市区町村での取得に時間がかかります。

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【翌年2月16日〜3月15日】確定申告する

譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)を作成し、確定申告書と併せて提出します。e-Taxでも可能です。

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【翌年3月15日まで/6月以降】納付する

所得税は申告期限までに納付。住民税は6月頃に通知が届き、普通徴収なら年4回に分けて納付します。納税資金を売却代金から確保しておいてください。

📄 主な必要書類
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
  • 売却時の売買契約書の写し
  • 購入時の売買契約書の写し(取得費の証明)
  • 仲介手数料・登記費用・測量費などの領収書
  • 売却した不動産の登記事項証明書
  • 被相続人居住用家屋等確認書(空き家控除を使う場合)
  • 耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書(空き家控除を使う場合)
  • 相続税の申告書の写し(取得費加算を使う場合)
⚠️ 売却益が出ていなくても申告した方がよい場合がある
譲渡損失が出た場合、原則として申告義務はありません。ただし居住用財産の買換え等に係る譲渡損失の損益通算・繰越控除を使う場合は申告が必要です。また、申告することで損失を記録に残せるという意味もあります。

税負担を踏まえた売却タイミングの考え方

税金を意識すると、「いつ売るか」の判断基準が変わります。

タイミングメリット注意点
相続後すぐ(1年以内)空き家の管理負担がない/固定資産税の負担が少ない相続登記・遺産分割協議を急ぐ必要がある
相続後3年10ヶ月以内取得費加算の特例が使える相続税を納付した人のみ
空き家控除の適用期限内最大3,000万円の特別控除要件が細かく、期限もある
それ以降特になし特例が使えず税負担が増える/建物の劣化が進む
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「とりあえず様子見」の期間コスト
売却を先延ばしにしている間も、固定資産税、火災保険料、管理費、草刈り・見回りの費用が発生し続けます。年間で10万〜30万円程度になることも珍しくありません。加えて建物の劣化が進み、売却価格自体が下がっていきます。
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特例の期限は待ってくれない
取得費加算の3年10ヶ月、空き家控除の適用期限。これらは延長されません。「相続の話がまとまらないうちに期限を過ぎた」というのが、実務で最も多い失敗パターンです。
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遺産分割が難航しそうなら早めに動く
相続人が複数いて協議が長引きそうな場合、特例の期限内に売却できないリスクがあります。協議に見通しが立たないなら、共有持分の売却など別の手段も含めて早めに検討してください。
✅ 千歳不動産が税務面でお手伝いできること
  • 連携税理士のご紹介(相続・譲渡所得に強い税理士)
  • 売却時期の逆算:特例の期限から逆算した売却スケジュールのご提案
  • 最短3日決済:期限が迫っている場合でも間に合わせられます
  • 相続登記が未了でも対応:司法書士連携で登記と決済を同時並行
  • 買取価格の早期確定:税額の試算がしやすくなります
  • 関東1都6県全域・208エリア対応

千歳不動産の空き家買取は、契約から最短3日での決済が可能です。「取得費加算の期限まであと2ヶ月しかない」といった状況でも間に合わせられるケースがあります。税務面のご相談も連携税理士とともに承りますので、まずは空き家買取の専門ページをご覧ください。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供です
税務の取り扱いは個別の事情によって大きく異なります。実際の申告にあたっては、必ず税理士または所轄税務署にご確認ください。当社は税務相談を行う立場にはありませんが、税理士のご紹介は可能です。

よくあるご質問

Q 相続税を払っていなければ、売却時の税金もかかりませんか?
A
いいえ、別の税金です。相続税は財産を相続したことに対する税、譲渡所得税は売却して利益が出たことに対する税です。相続税が基礎控除内でゼロだった場合でも、売却益が出れば譲渡所得税・住民税が課税されます。相続税ゼロの方こそ、譲渡所得税への備えが必要です。
Q 親がいくらで買ったか分かりません。どうすればよいですか?
A
まず購入時の売買契約書を探してください。見つからない場合、住宅ローンの契約書、通帳の出金記録、登記簿の抵当権設定額などが代替資料になる可能性があります。それも難しい場合、市街地価格指数による推計という方法もありますが、税務署に否認されるリスクがあるため必ず税理士にご相談ください。
Q 概算取得費5%とは具体的にどういう意味ですか?
A
取得費を証明できない場合、売却代金の5%を取得費とみなす制度です。3,000万円で売れば取得費は150万円となり、残る2,850万円近くが課税対象になります。実額より大幅に低くなるため、納税者にとっては不利な結果になることがほとんどです。
Q 取得費加算の特例はいつまでに売却すればよいですか?
A
相続開始の日の翌日から、相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月)の翌日以後3年を経過する日まで。実質的には相続開始から約3年10ヶ月以内です。この期限を過ぎると適用できなくなり、延長も認められません。
Q 空き家の3,000万円控除と取得費加算は両方使えますか?
A
いいえ、どちらか一方の選択適用となります。相続税を多く納めた方は取得費加算、相続税が少ない・ゼロの方は空き家控除が有利になりやすい傾向がありますが、個別の試算が必要です。税理士に両方のケースを計算してもらってください。
Q 相続してすぐ売ると、税率が高い短期譲渡所得になりますか?
A
なりません。相続の場合、所有期間は被相続人が取得した日から通算されます。親が何十年も所有していた家であれば、相続直後に売っても長期譲渡所得(20.315%)が適用されます。
Q 売却して損をした場合でも申告は必要ですか?
A
譲渡損失が出た場合、原則として申告義務はありません。ただし取得費を証明できず概算5%で計算すると、実際は損をしていても帳簿上は利益が出たことになり、課税されてしまいます。損失を主張するためにも取得費の資料は重要です。
Q 納税資金が足りません。どうすればよいですか?
A
譲渡所得税は売却の翌年に納付するため、売却代金を使い切ってしまうと資金不足に陥ります。売却前に税額を概算し、その分を確保しておくことが重要です。当社では買取価格を早期に確定できるため、税額の試算がしやすく、資金計画も立てやすくなります。

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