数次相続・解決編
祖父名義のまま放置された
不動産を売却する手順
「祖父名義の土地が見つかった」「父も登記せず亡くなったので、登記簿はずっと祖父のまま」「相続人が誰なのか分からない」――こうした数次相続による登記未了物件は、全国で数百万件存在すると言われており、決して特殊なケースではありません。
しかも、2024年4月の相続登記義務化により、義務化以前の相続物件も2027年3月末までに登記完了が必要に。本記事では、祖父名義の不動産を売却するまでの具体的な5つのステップと、買取業者を活用した同時並行進行の流れを、関東1都6県で相続登記未了物件専門の千歳不動産が解説します。
数次相続とは?基本構造と典型パターン
数次相続とは、ある相続が発生した後、遺産分割や登記が完了する前に別の相続が発生することです。
例えば、祖父が亡くなった時に相続登記をしないまま、その相続人である父が亡くなった場合、祖父と父の両方の相続を同時に処理する必要があります。これが数次相続です。世代を重ねるほど関係者が指数関数的に増えていきます。
📊 数次相続の関係者数の例
| 1代相続(祖父死亡時) | 祖母+子3人 = 4人 |
| 2代相続(子の一人が死亡) | 祖母+残る子2人+亡くなった子の配偶者+その子2人 = 7人 |
| 3代相続 | 10〜20人以上に膨張するケースも |
⚠️ 長期放置で関係者が爆発的に増加
祖父の代から60年以上放置された物件では、相続人が30人を超えるケースも報告されています。中には会ったこともない遠縁の親族が含まれることも珍しくありません。放置すればするほど解決困難になるのが数次相続の特徴です。
なぜ祖父名義のまま放置されるのか
祖父名義のままの不動産は、以下のような理由で放置されてきたケースがほとんどです。
1
相続登記の義務がなかった(2024年3月まで)
2024年3月までは相続登記は義務ではありませんでした。固定資産税の納付者を届け出れば、登記名義変更をしなくても税金は通常通り課税されたため、「特に困らないから登記しない」という選択が一般的でした。
2
遺産分割協議がまとまらなかった
相続人間で「誰がどの不動産を相続するか」の話し合いがまとまらず、結果として登記が進まなかったケース。長年放置するうちに次世代相続が発生し、関係者が増えてさらに困難に。
3
価値の低い不動産だった
田舎の山林・農地、利用していない宅地など、当時は処分する動機が乏しい不動産は登記が後回しになりがちでした。後から相続税対策・売却の必要が発生して問題が顕在化することが多いです。
4
相続人が遠方・関係希薄
相続人が遠方に住んでいて、地元の不動産に関心が薄かった、または相続人同士の関係が希薄で、誰も主導して登記を進めなかったケース。
5
高齢化・認知症・死亡で意思決定者不在
相続発生当時の主要な意思決定者が高齢化・認知症・死亡で、誰が主体となって登記を進めるかが不明確になったケース。
STEP1:相続人の調査と確定
数次相続の物件を売却するための最初のステップは、相続人の調査と確定です。
数次相続では、登記名義人(祖父など)の出生から死亡までのすべての戸籍を取得し、相続人を網羅的に確定する必要があります。さらに、その相続人がすでに亡くなっている場合は、その人の出生から死亡までの戸籍も取得します。
📖 必要な戸籍書類
- 登記名義人(祖父等)の出生〜死亡までの全戸籍
- 登記名義人の配偶者・子の戸籍
- すでに亡くなっている相続人の出生〜死亡までの全戸籍
- 現存する全相続人の現在戸籍・住民票
- 遺産分割協議書の作成のための印鑑証明書
| 代数 |
戸籍取得件数の目安 |
所要期間 |
費用 |
| 1代相続 | 5〜10件 | 2〜4週間 | 1〜3万円 |
| 2代相続 | 10〜20件 | 1〜2ヶ月 | 2〜5万円 |
| 3代相続以上 | 30〜50件 | 2〜6ヶ月 | 5〜15万円 |
戸籍取得は本籍地の市町村役場に取り寄せが必要で、転籍を繰り返している場合は複数の役所から取得することになります。司法書士・弁護士に依頼すれば代行可能です。当社では、戸籍取得を含む相続人特定をすべて代行いたします。
STEP2:遺産分割協議の進め方
相続人が確定したら、全員で遺産分割協議を行います。「誰が祖父名義の不動産を相続するか」を決める重要なステップです。
1
相続人全員への連絡
相続人全員に経緯・現状・協議の必要性を説明します。会ったことのない遠縁の親族でも、相続人として権利を持つため、丁寧な説明と協力依頼が必要です。連絡が取りやすい順に進めます。
2
遺産分割協議書の原案作成
誰がどの不動産を相続するかを明記した遺産分割協議書の原案を作成します。司法書士・弁護士に依頼するのが一般的です。1ページに収まるシンプルなものから複雑な内容のものまで対応します。
3
相続人全員の署名・実印押印
相続人全員から原案への合意を得て、実印を押印します。1人でも反対者がいると協議は成立しません。郵送でやり取りすることが多く、相続人全員の協力が必要です。
4
印鑑証明書の取得
相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)が必要です。役所窓口・コンビニ・郵送のいずれかで取得します。
5
協議成立後の登記準備
協議書が完成したら、相続登記の準備に入ります。固定資産税評価証明書・登記識別情報通知の準備など、司法書士が代行します。
⚠️ 協議成立まで数ヶ月〜数年のケースも
相続人が多数・遠方・関係悪化のケースでは、協議成立まで数ヶ月〜数年かかることもあります。共有持分のみの売却なら協議成立を待つ必要がなく、即時の解決が可能です。詳しくは後述します。
STEP3:相続登記と売買決済の同時並行
遺産分割協議成立後、相続登記と売買決済を同時並行で進めることで、最短2週間〜1ヶ月で現金化が可能です。
司法書士と連携した買取業者であれば、相続登記と売買決済を同じ日に一括で処理します。お客様が事前に相続登記費用を立て替える必要はありません。
1
買取業者と契約
買取価格・条件の合意後、売買契約を締結します。相続登記費用・戸籍取得費用は買取価格に含めて整理します。
2
司法書士が決済日の準備
司法書士が(1)祖父→現相続人への相続登記、(2)現相続人→買取業者への所有権移転登記の両方を準備。両方の登記書類を同時に法務局に提出します。
3
決済日(同一日に完結)
買取業者→お客様への代金支払い、お客様→司法書士への登記関係書類引渡しを同時に行います。司法書士はその日のうちに法務局に登記申請。
4
1〜2週間で登記完了
法務局での登記完了まで通常1〜2週間。完了後、新所有者(買取業者)に登記識別情報が交付され、すべての手続きが完結します。
この同時並行方式により、お客様の現金持ち出しゼロで、相続登記と売却を一気に完結できます。一般的な「相続登記してから売却」では数ヶ月〜半年かかるところ、同時並行なら最短2週間〜1ヶ月です。
費用の総額と内訳
祖父名義の不動産を売却する際の費用総額と内訳を整理します。
| 費用項目 |
金額目安 |
負担 |
| 戸籍取得費用 | 2〜10万円 | 買取価格に含む |
| 司法書士報酬(相続登記) | 5〜15万円 | 買取価格に含む |
| 司法書士報酬(売買登記) | 3〜5万円 | 買取業者負担 |
| 登録免許税(相続) | 評価額×0.4% | 買取価格に含む |
| 登録免許税(売買) | 評価額×2% | 買取業者負担 |
| 仲介手数料 | 0円(自社買取) | − |
| お客様の現金持ち出し | 0円 | − |
買取業者を活用すれば、お客様の現金持ち出しはゼロ。すべての費用を買取価格に含めて整理してお渡しします。一般的に売却された方は、買取価格 - 諸経費 = 手取り額として、明朗な形で受け取れます。
相続人多数・所在不明者がいる場合
相続人が多数・所在不明者がいる場合の対応方法を整理します。
1
相続人多数(10人以上)のケース
当社では相続人20人を超えるケースも対応実績がございます。連携司法書士が、相続人ごとに個別に連絡・協議を進めます。長期化することもありますが、共有持分のみの売却なら、他の相続人の同意を待つ必要はありません。
2
所在不明の相続人がいる場合
住民票・戸籍の追跡調査、不在者財産管理人の選任、失踪宣告など、状況に応じた手続きで対応します。連携弁護士が必要に応じてサポートします。
3
認知症・成年被後見人がいる場合
成年後見人の選任が必要です。後見人選任後、不動産売却には家庭裁判所の許可が別途必要となります。連携弁護士が一連の手続きをサポート。
4
海外居住の相続人がいる場合
在外公館への問い合わせ、在外邦人調査などで連絡を取ります。海外からのオンライン署名・在外公館での印鑑証明書取得などにも対応可能です。
5
相続人間で対立がある場合
当社が間に入って中立的な調整を行います。それでも合意に至らない場合は、共有物分割請求(裁判)で解決することもありますが、まずは協議による合意を目指します。
千歳不動産での対応事例と流れ
千歳不動産は、関東1都6県で数次相続・登記未了物件の買取を専門領域として扱っています。
💼 過去の対応事例(一部抜粋)
- 茨城県結城市:祖父名義の田畑を3代相続で整理、相続人12名、戸籍調査3ヶ月+買取決済
- 東京都葛飾区:祖母名義のアパート、相続人8名、所在不明者2名で不在者財産管理人選任、9ヶ月で解決
- 千葉県市川市:祖父名義の戸建て、相続人5名、シンプルなケース、戸籍取得から決済まで6週間
- 埼玉県川口市:祖父名義の土地、相続人20名、認知症の相続人含む、1年で全工程完了
1
無料相談・状況把握
電話・メール・LINEで物件のご住所・登記名義人(祖父等)の情報をお伝えください。
2
戸籍調査・相続人特定
連携司法書士が戸籍を取得し、相続人を網羅的に特定。所在不明者がいれば追跡調査も実施します。
3
遺産分割協議書の作成
司法書士が遺産分割協議書の原案を作成。相続人全員への連絡・署名取得もサポート。
4
正式査定・契約
調査結果をもとに正式な買取価格と契約条件をご提示。相続登記費用も買取価格に含めて整理します。
5
相続登記と決済の同時並行
司法書士立会いのもと、相続登記と売買決済を同じ日に一括処理。お客様の手取り額をお振込みします。
千歳不動産の相続登記未了物件買取は、関東1都6県全域・全208エリア対応。司法書士連携で同時並行決済、数次相続・所在不明者対応も多数。詳しくは相続登記未了物件買取の専門ページをご覧ください。
よくあるご質問
Q
祖父名義のまま、固定資産税は誰が払っていますか?
A
実家居住者または相続人代表が、市町村に「固定資産現所有者届」を提出して納税している場合がほとんどです。法務局の登記と市町村の課税台帳は連動していないため、登記未了でも税金は通常通り課税されます。
Q
祖父名義の物件を売却したいのですが、相続人が誰なのか分かりません。どうすればよいですか?
A
当社では戸籍調査による相続人特定をすべて代行いたします。連携司法書士が祖父様の出生から死亡までの戸籍を取得し、その後の相続人をすべて確認します。所要期間は1〜3ヶ月、お客様は何もする必要がありません。
Q
義務化の期限(2027年3月末)に間に合いますか?
A
シンプルなケース(相続人少数・国内在住)なら間に合います。ただし、相続人多数・所在不明者ありのケースは半年〜1年かかることもありますので、お早めにご相談ください。当社では同時並行決済で時間を最大限短縮します。
Q
相続人の中に認知症の方がいます。それでも売却できますか?
A
可能です。成年後見人の選任が必要となります。連携弁護士・司法書士が後見人選任から不動産売却までサポートします。家庭裁判所の許可も含めて代行します。
Q
祖父名義の物件、固定資産税の滞納があるかもしれません。それでも買取可能ですか?
A
可能です。固定資産税の滞納額は、買取価格から差し引いて精算します。先方への支払いも当社が代行可能。お客様の現金持ち出しゼロで完結します。
Q
費用は本当に一切かからないのですか?
A
はい、お客様の現金持ち出しはゼロです。戸籍取得費用・相続登記費用・遺産分割協議書作成費用はすべて買取価格に含めて整理します。査定・相談も完全無料です。
Q
相続人全員が売却に賛成しないと、進められないのですか?
A
物件全体の売却には全員の同意が必要ですが、
あなたの法定相続分(持分)のみであれば、他の相続人の同意なく売却可能です。詳しくは
共有持分のみの売却記事をご覧ください。
Q
対応エリアは関東以外もありますか?
A
原則として、関東1都6県(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬)が対応エリアです。エリア外の物件についても、まずはお気軽にご相談ください。
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