不動産の買取と仲介はどっちが得?手取り額で比較|千歳不動産

売却実務・比較編

不動産の「買取」と「仲介」はどっちが得?
手取り額で比較する判断基準

不動産を売るとき、方法は大きく2つです。仲介は不動産会社に買主を探してもらう方法、買取は不動産会社そのものに直接買ってもらう方法。一般に「買取は安い」と言われますが、これは提示額だけを比べた場合の話です。

実際に手元に残る金額を比べると、話は変わってきます。仲介には仲介手数料、売れ残り期間中の固定資産税や管理費、値下げ交渉、契約不適合責任のリスクが伴います。本記事では、両者の構造的な違い、手取り額でのシミュレーション、買取が有利になる7つの条件、そして「買取保証付き仲介」という第3の選択肢まで、買取専門の千歳不動産が可能な限り公平に解説します。

買取と仲介の構造的な違い

まず、この2つがまったく別の取引であることを押さえておきましょう。

項目仲介買取
買主一般の個人(エンドユーザー)不動産会社
不動産会社の役割売主と買主をつなぐ自ら買う
会社の収益源仲介手数料再販時の利益
仲介手数料売買価格の3%+6万円+消費税不要
売却期間3ヶ月〜1年以上3日〜2週間
価格の確実性売れるまで確定しない査定時点で確定
内覧対応必要(何度も)不要
広告掲載あり(近隣に知られる)なし(可能)
契約不適合責任売主が負う免責にできる
リフォーム・片付け必要なことが多い不要(現状のまま)
1
仲介は「売れるまで終わらない」
媒介契約を結んでも、それは売却を約束するものではありません。買主が現れて初めて成約します。3ヶ月経っても売れなければ契約を更新し、また3ヶ月。この繰り返しになる可能性があります。
2
買取は「その場で確定する」
買取業者が査定額を提示し、売主が合意すれば、その金額での売却が確定します。買主を探す工程が存在しないため、価格も時期も読めます。
3
買取は仲介手数料がかからない
見落とされがちですが、買取には仲介業者が介在しないため仲介手数料が発生しません。3,000万円の取引なら約105万円の差になります。これは提示額の差を一部相殺します。

価格差はなぜ生まれるのか

「買取は相場の7割」とよく言われます。その7割の内訳を説明します。

買取業者は物件を買い取ったあと、リフォームして再販するか、賃貸として運用します。その過程で必ずコストとリスクを負います。査定額と相場の差は、業者が引き受けるコストとリスクの対価です。

業者が負担するもの一般的な水準内容
リフォーム・原状回復費物件価格の10〜20%内装・水回り・外壁など
残置物処分・特殊清掃数十万〜百万円超家財の撤去、清掃
保有期間のコスト数ヶ月〜1年分固定資産税、管理費、金利
再販時の仲介手数料再販価格の約3%次の買主を探す費用
売れ残りリスク買った物件が売れない可能性を業者が負う
瑕疵のリスク引き渡し後に問題が出ても売主に請求しない
業者の利益10〜20%事業として必要な利益
⚠️ 「7割」は物件によって大きく変わる
相場の7割というのはあくまで目安です。立地が良く状態も良い物件なら8〜9割になることもあれば、再建築不可・心理的瑕疵ありといった物件では5割を下回ることもあります。「買取は一律7割」という理解は正確ではありません。
📈 買取価格が高くなりやすい条件
  • 駅徒歩10分以内など、再販需要が確実に見込める立地
  • 築浅、または建物の状態が良好
  • 土地の形状が整っており、境界も確定している
  • 再建築が可能で、住宅ローンが使える
  • そのまま賃貸に出せる状態にある
  • 権利関係が単純(共有者が少ない、抵当権なし)

手取り額でシミュレーションする

提示額ではなく、最終的に手元に残る金額で比べてみましょう。

相場3,000万円の中古戸建てを例に、仲介と買取を比較します。仲介では相場どおり3,000万円で売れたと仮定し、買取は相場の75%(2,250万円)としました。

項目仲介買取
提示額・成約額3,000万円2,250万円
仲介手数料−105.6万円0円
リフォーム・ハウスクリーニング−80万円0円
残置物処分費−30万円0円
売却期間中の固定資産税(8ヶ月)−8万円0円
火災保険・光熱費(8ヶ月)−6万円0円
内覧のための交通費・手間−5万円0円
手取り額2,765.4万円2,250万円
差額約515万円

この条件では、仲介の方が約515万円多く手元に残ります。相場どおりに売れるなら、仲介の方が有利——これは事実です。当社は買取業者ですが、この点は正直にお伝えします。

ただし、上のシミュレーションには「3,000万円で売れた」という前提があります。実際には、次のようなケースが頻繁に起こります。

項目仲介(値下げありのケース)買取
当初売出価格3,000万円
3ヶ月後、値下げ2,800万円
6ヶ月後、再度値下げ2,600万円
10ヶ月後、指値交渉で成約2,450万円2,250万円
仲介手数料−86.3万円0円
リフォーム・清掃−80万円0円
残置物処分費−30万円0円
保有コスト(10ヶ月)−17万円0円
手取り額2,236.7万円2,250万円
差額買取が約13万円多い
⚠️ 分岐点は「相場どおりに売れるか」
2つのシミュレーションが示しているのは、物件の売りやすさによって結論が逆転するということです。すぐ売れる物件なら仲介、売れにくい物件なら買取。この見極めが判断の核心です。

仲介が有利なケース

買取業者の立場からも、率直に「仲介の方がよい」とお伝えするケースがあります。

✅ 仲介をおすすめする条件
  • 駅徒歩10分以内など、立地が良い
  • 築15年以内で建物の状態が良い
  • 人気の学区・生活利便性が高いエリア
  • 時間に余裕がある(1年待てる)
  • 売り急ぐ理由がない
  • 室内が片付いており、そのまま内覧できる
  • 権利関係が単純(単独名義、相続登記済み)
  • 近隣に知られても問題ない

これらに多く当てはまる物件は、一般市場で買主が見つかりやすく、相場に近い価格で成約する可能性が高いといえます。この場合、仲介手数料を払っても仲介の方が手取りは多くなります。

1
当社でも仲介をおすすめすることがあります
査定の結果、「この物件は仲介で売った方がお客様の手取りが多くなります」とお伝えするケースは実際にあります。無理に買取を勧めることはいたしません。両方の試算をお示ししたうえで、お客様に判断していただくのが当社の方針です。
2
複数社の査定を取るのが基本
仲介にせよ買取にせよ、1社だけの査定で決めるのは避けてください。仲介会社2〜3社、買取業者2〜3社から取ると、相場観と自分の物件の位置づけが見えてきます。
3
仲介の査定額は「売れる保証」ではない
注意点として、仲介会社の査定額は「この価格で売り出しましょう」という提案であって、その価格で売れる保証ではありません。媒介契約を取るために高めの査定を出す会社もあるため、根拠(近隣の成約事例)を必ず確認してください。

買取が有利になる7つの条件

逆に、仲介では苦戦し、買取の方が結果的に手取りが多くなるケースです。

1
訳あり物件である
再建築不可、市街化調整区域、接道不良、心理的瑕疵、既存不適格。これらは住宅ローンが使えない・買主が限定されるため、仲介では長期間売れ残ります。売れ残る間もコストは発生し続けます。
2
残置物・ゴミが大量にある
家財が残ったままでは内覧ができず、仲介では成立しません。処分費用として数十万〜百万円超がかかり、しかもそれは売れる前に自己負担で払う必要があります。買取なら処分費込みで引き取れます。
3
建物の状態が悪い
雨漏り、シロアリ、傾き、旧耐震。仲介ではこれらを告知したうえで大幅な値引きを求められるか、修繕を求められます。買取なら現状のまま、免責で引き渡せます。
4
期限が決まっている
相続税の納付期限、取得費加算の3年10ヶ月、離婚の財産分与、住宅ローンの返済。期限がある売却で仲介を選ぶのは危険です。売れなければ大幅値下げを迫られ、結果的に買取より安くなります。
5
近隣に知られたくない
仲介では物件サイトへの掲載、チラシ配布、看板設置が行われます。相続・離婚・借金といった事情で売却を知られたくない場合、買取なら完全プライベート取引が可能です。
6
共有者がいる・権利関係が複雑
共有名義、相続登記未了、共有者と連絡が取れない。こうした物件は仲介では扱えません。買取業者なら持分のみの買取や、登記と決済の同時並行にも対応できます。
7
遠方に住んでいる
内覧のたびに現地へ行く、鍵の受け渡し、草刈り。遠方だとこれらの負担が大きく、交通費も積み上がります。買取なら立会い不要・オンライン完結で済みます。
📊 該当数の目安
  • 0〜1個該当 → 仲介を優先的に検討
  • 2〜3個該当 → 両方の査定を取って比較
  • 4個以上該当買取が有利になる可能性が高い

見落とされがちな「時間のコスト」

仲介の比較で最も過小評価されるのが、売れるまでの期間に発生するコストです。

費目月額の目安10ヶ月分
固定資産税・都市計画税約1万円約10万円
火災保険料約3,000円約3万円
電気・水道の基本料金約3,000円約3万円
管理費・修繕積立金(マンション)約2万円約20万円
草刈り・見回り・清掃約5,000円約5万円
遠方の場合の交通費約1万円約10万円
合計(戸建て)約3.1万円約31万円
合計(マンション)約4.6万円約46万円
1
金額に表れないコストもある
内覧のたびに掃除をして在宅する、業者からの連絡に対応する、売れないことへの不安を抱え続ける。これらは金額に換算されませんが、実際には大きな負担です。相続や離婚が背景にある場合、精神的な消耗は特に大きくなります。
2
建物の劣化は待ってくれない
空き家は人が住んでいる家より劣化が早く進みます。換気されず湿気がこもり、給排水管が傷み、庭が荒れる。売れ残っている間に、物件そのものの価値が下がっていきます。
3
値下げは1回では終わらない
実務上、売れ残った物件は3ヶ月ごとに値下げを繰り返すのが一般的です。最終的に当初の売出価格から15〜25%下がって成約するケースは珍しくありません。
⚠️ 「高く売れるかもしれない」の期待値
仲介の魅力は「相場で売れれば手取りが多い」という点にあります。ただしそれは売れた場合の話です。売れる確率が低い物件で仲介を選ぶことは、期待値の低い賭けに時間とコストを投じることになりかねません。

契約不適合責任というリスク

仲介で売った場合、引き渡し後にも責任が残ります。これが最も見落とされるリスクです。

2020年の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に改められました。引き渡した物件が契約の内容に適合しない場合、買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除を行うことができます。

売却方法契約不適合責任
仲介(個人 → 個人)通常は引き渡しから3ヶ月程度売主が責任を負う特約が一般的
仲介(個人 → 個人・免責特約)交渉次第で免責も可能だが、買主が敬遠し成約しにくくなる
買取(個人 → 宅建業者)免責特約が可能。引き渡し後の責任なし
1
典型的なトラブル
引き渡し後に雨漏りが発覚する、床下にシロアリ被害が見つかる、給排水管から漏水する、境界が実際と違っていた。売主が知らなかった問題でも責任を問われることがあります。
2
相続物件は特にリスクが高い
相続した実家は、売主自身が住んだことがない、あるいは何十年も前に離れた家です。建物の状態を正確に把握できていないため、「知らなかった不具合」が出てくる可能性が構造的に高いのです。
3
買取なら免責にできる理由
宅建業者が買主となる取引では、買主がプロであるため、契約不適合責任を免責とする特約が有効に機能します。当社の買取では免責特約を締結するため、引き渡し後にお客様が責任を問われることはありません
⚠️ 「売ったのに終わらない」を避ける
売却して代金を受け取り、税金も納め、ようやく片付いたと思った1年後に「雨漏りの修繕費を払え」と連絡が来る。こうした事態を確実に避けたい方にとって、免責特約の価値は金額差以上に大きいものです。

買取業者を選ぶときのチェックポイント

買取を選ぶ場合、業者選びで結果が大きく変わります。

🔍 確認すべき8項目
  • 宅地建物取引業の免許を持っているか(免許番号を確認)
  • 査定額の根拠を説明できるか(「この金額です」だけの業者は避ける)
  • 諸費用の扱いが明確か(残置物処分費・測量費が別途請求されないか)
  • 契約不適合責任の免責を書面で明記してくれるか
  • 自社買取か(実は仲介で、買主を探すだけの業者もいる)
  • その物件種別の実績があるか(訳あり物件は専門性が必要)
  • 断ったときの対応(しつこい追客をしないか)
  • 決済までの期間を明示できるか
⚠️ 「相見積もりを取らせない」業者に注意
「今日中に決めてくれれば この金額」「他社に相談したら価格を下げる」といった圧力をかける業者は避けてください。まっとうな業者は相見積もりを歓迎します。査定額に自信があるからです。
1
複数の業者に査定を依頼する

買取業者2〜3社、可能なら仲介会社にも1〜2社。同じ条件で依頼し、比較できるようにします。

2
査定額だけでなく「条件」を比較する

残置物処分費は含まれるか、契約不適合責任は免責か、決済までの期間はどれくらいか。総額と条件をセットで比較してください。

3
根拠の説明を求める

なぜその金額なのか、周辺の取引事例、想定している出口(再販かリノベか賃貸か)。説明できる業者は信頼できます。

4
契約書の内容を確認する

特に「契約不適合責任免責」「諸費用の負担」「決済日」の3点。不明点は納得できるまで質問してください。

5
急かされても即決しない

「今日決めれば」という言葉が出たら、いったん持ち帰ってください。まっとうな取引で当日決断を迫る理由はありません。

✅ 千歳不動産の買取の特徴
  • 自社買取(仲介ではありません)
  • 残置物処分費・測量費・登記費用を買取価格に含めて整理(追加請求なし)
  • 契約不適合責任免責を契約書に明記
  • 仲介の方が有利な場合はその旨をお伝えします
  • 相見積もり歓迎・押し売りや追客のご連絡なし
  • 訳あり物件(再建築不可・心理的瑕疵・共有持分・ゴミ屋敷)の実績多数
  • 関東1都6県全域・208エリア対応/契約から最短3日決済

当社は買取業者ですが、すべての物件で買取が最善だとは考えていません。査定の際は、仲介で売った場合の想定手取り額もあわせてお示しし、お客様が納得して選べるようにしています。まずは判断材料として、買取と仲介の比較ページもご覧ください。

よくあるご質問

Q 買取は本当に相場の7割程度になるのですか?
A
物件によって幅があります。立地が良く状態も良い物件なら8〜9割になることもあれば、再建築不可や心理的瑕疵のある物件では5割を下回ることもあります。「一律7割」というのは目安にすぎません。実際の査定額は物件ごとに大きく異なります。
Q 仲介で売り出してみて、売れなかったら買取に切り替えることはできますか?
A
できます。実務上もよくある流れです。ただし長期間売り出して価格を下げ続けた物件は、市場に「売れ残り」として記録が残り、買取査定にもわずかに影響することがあります。最初から両方の査定を取って比較する方が効率的です。
Q 買取で仲介手数料がかからないのはなぜですか?
A
買取では不動産会社自身が買主になるため、売主と買主を仲介する第三者が存在しないからです。仲介手数料は「取引を仲介したこと」に対する報酬なので、仲介がなければ発生しません。3,000万円の取引なら約105万円の差になります。
Q 複数の買取業者に査定を依頼しても大丈夫ですか?
A
まったく問題ありません。むしろ推奨します。買取価格は業者の出口戦略によって変わるため、同じ物件でも数百万円の差が出ることがあります。当社も相見積もりを歓迎しており、他社の方が高ければそちらを選んでいただいて構いません。
Q 「買取保証付き仲介」とは何ですか?
A
まず仲介で売り出し、一定期間内に売れなければ、あらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取るという仕組みです。高く売れる可能性を残しつつ、最低額を確保できるのが利点。ただし保証価格は通常の買取より低めに設定されることが多く、取り扱う会社も限られます。
Q 契約不適合責任の免責は、本当に有効ですか?
A
売主が個人、買主が宅地建物取引業者という取引では、免責特約は有効に機能します。当社の買取では契約書に明記しており、引き渡し後に雨漏りやシロアリが発覚しても、お客様に修繕費や賠償を請求することはありません。
Q 残置物の処分費は別途請求されませんか?
A
当社では残置物処分費・特殊清掃費・測量費・登記費用をすべて買取価格に含めて整理しており、後から追加請求することはありません。ただしこれは業者によって扱いが異なるため、他社と比較される際は「総額でいくら手元に残るか」で確認してください。
Q 仲介の方が得だと言われたら、それを教えてもらえますか?
A
はい、お伝えします。査定の際に、仲介で売った場合の想定価格・期間・諸費用を含めた手取り額の試算もあわせてご提示しています。その結果、仲介の方が有利であればその旨を率直にお伝えし、無理に買取を勧めることはいたしません。

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