共有持分・解決編
共有者と連絡が取れない
不動産を売却する方法
「兄弟と共有名義の実家を整理したいけれど、長年連絡が途絶えている共有者がいる」「数十年前の相続物件の共有者が、もう生きているかすらわからない」――こうしたケースは決して珍しくなく、特に数次相続が発生した古い物件では頻繁に起こります。
結論からお伝えすると、共有者と連絡が取れない不動産でも、自分の持分のみであれば売却可能です。また、物件全体を売却したい場合も、不在者財産管理人選任や共有物分割請求など、法律で定められた解決方法があります。本記事では、関東1都6県で共有持分専門の買取を行う千歳不動産が、具体的な5つの解決方法を解説します。
共有者と連絡が取れなくなる5つのパターン
共有者と連絡が取れなくなる背景には、主に5つの典型的なパターンがあります。
1
相続登記が長期間されず、関係が希薄化
相続発生時に登記をせず、共有名義のまま数十年放置。その間に共有者が転居・改姓・死亡(数次相続)で、連絡先が分からなくなるケース。最も多いパターンです。
2
数次相続で見知らぬ相続人が共有者に
原共有者が亡くなり、その配偶者・子・孫…と次々に相続が発生。気がつくと「会ったことのない遠縁の親族」が共有者になっているケース。共有者が10人、20人に膨れ上がることも。
3
離婚・絶縁で意図的に連絡を絶っている
夫婦の共同名義だった物件で、離婚後に意図的に連絡を絶っているケース。元配偶者の現住所・連絡先を知らない状態です。
4
海外移住・遠方転居で音信不通
共有者の一人が海外移住、または国内の遠方に転居して連絡が途絶えたケース。住民票を移していない場合、追跡が困難になります。
5
高齢化・施設入所で家族も把握していない
共有者が高齢で施設入所し、家族や親族も近況を把握していないケース。所在は分かっても、認知症などで意思確認ができないケースもあります。
いずれのパターンも、放置するほど解決が困難になります。共有者の死亡で次の世代に相続が連鎖すると、さらに複雑化します。早めの行動が結果的に時間とコストを抑えます。
解決方法①:住民票・戸籍の追跡調査
所在が分からない共有者でも、住民票・戸籍を追跡することで現住所を特定できる可能性があります。
不動産の共有者として、他の共有者の住民票・戸籍を取得する正当な理由があるため、本人の同意なしに調査を進めることが可能です。一般的には司法書士・弁護士に依頼することになります。
📖 追跡調査の手順
- 登記簿謄本から共有者の住所を確認(登記時点の住所)
- その住所の住民票除票を取得(転出していれば次の住所が判明)
- 戸籍附票を取得(過去の住所履歴が記載)
- 現在の本籍地から戸籍謄本を取得(生存・死亡を確認)
- 死亡している場合は相続人を調査
| 項目 |
内容 |
| 所要期間 | 2〜8週間(数次相続の場合さらに長期) |
| 費用 | 司法書士・弁護士報酬 5〜30万円+実費 |
| 成功率 | 国内・転居数回程度なら高い(80%以上) |
| 限界 | 海外移住・住民票未移転は追跡困難 |
⚠️ 追跡で所在が判明しても、協議に応じてくれるとは限らない
所在が分かっても、本人が「売却に協力したくない」「会いたくない」と意思を示せば、それ以上の進展は望めません。その場合は次の解決方法(不在者財産管理人または共有持分のみの売却)に移行します。
解決方法②:不在者財産管理人の選任
住民票・戸籍を追跡しても所在が判明しない場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる方法があります。
不在者財産管理人(民法25条)とは、行方不明の人(不在者)の財産を管理する者として、家庭裁判所が選任する代理人のことです。選任後は、不在者財産管理人を介して遺産分割協議や売却が進められます。
1
申立人になれるのは利害関係人
不在者財産管理人の選任は、利害関係人(共有者・債権者など)または検察官が、不在者の従来の住所地の家庭裁判所に申し立てます。共有者であるあなたは利害関係人として申立可能です。
2
管理人には弁護士・司法書士が選ばれる
家庭裁判所が、利害関係のない第三者(主に弁護士・司法書士)を選任します。管理人は不在者の財産を管理する義務を負い、不適切な処分は認められません。
3
不動産売却には家庭裁判所の許可が別途必要
管理人が不動産を売却するには、家庭裁判所に「権限外行為許可」を別途申し立て、許可を得る必要があります。許可がないと売買契約は無効になります。
4
管理人報酬・予納金が必要
管理人の報酬(月1〜3万円程度)、家庭裁判所への予納金30〜100万円が必要です。予納金は管理が完了するまで保管され、最終的に余れば返還されます。
| 項目 |
内容 |
| 所要期間 | 選任申立から売却完了まで 6ヶ月〜1年 |
| 費用 | 予納金30〜100万円+弁護士費用30万円〜 |
| 成功率 | 手続きを正確に踏めば高い |
| 注意点 | 家庭裁判所の許可で売却額・条件に制限 |
解決方法③:失踪宣告(7年以上不明の場合)
共有者の生死が7年以上不明の場合、家庭裁判所に「失踪宣告」を申し立てる方法があります。
失踪宣告(民法30条)とは、生死が一定期間不明の者を、法律上死亡したものとみなす制度です。失踪宣告が確定すると、その共有者は法的に死亡したとみなされ、相続が開始します。
| 区分 |
対象 |
必要な期間 |
| 普通失踪 | 生死不明者(一般) | 7年以上 |
| 特別失踪 | 災害・事故等で生死不明 | 1年以上 |
1
申立は家庭裁判所へ
不在者の従来の住所地を管轄する家庭裁判所に「失踪宣告審判申立書」を提出します。申立人は配偶者・親族・債権者・共有者などの利害関係人です。
2
公告・調査期間が必要
申立後、家庭裁判所が3ヶ月以上の公告を行い、生死の調査をします。この期間に共有者の所在が判明すれば、失踪宣告は却下されます。
3
失踪宣告確定後に相続発生
失踪宣告が確定すると、普通失踪なら「最後の生存確認から7年経過時点」、特別失踪なら「危難が去った時点」で死亡したとみなされます。その時点で相続が開始し、相続人が不在者の持分を承継します。
4
相続人を相手に共有問題を解決
失踪宣告で確定した相続人と、改めて遺産分割協議・売却協議を進めます。相続人が多数の場合、解決まで時間がかかることもあります。
失踪宣告は確実な解決方法ですが、7年以上の期間要件があるため、すぐに使えるケースは限定的です。すでに7年以上経過しているなら有効な選択肢になります。
解決方法④:共有持分のみの売却(最速)
最も速く、確実な解決方法は「自分の持分だけを共有持分専門の買取業者に売却する」ことです。
これまで解説した方法はすべて「物件全体を売却する」ためのプロセスでした。一方、自分の持分のみであれば、他の共有者の同意なく、所在不明者がいてもすぐに売却可能です。
⚠️ 民法206条で認められた所有者の権利
共有持分の自己処分は、民法206条で認められた所有者の自由な権利です。他の共有者の同意は不要で、持分譲渡自体は法的に保障された行為です。詳しくは
共有持分のみの売却記事をご覧ください。
1
所在不明者がいても影響なし
他の共有者の生死・所在に関係なく、自分の持分のみを売却できます。住民票追跡や不在者財産管理人選任の手続きも不要。最速で問題から解放されます。
2
最短3日〜2週間で現金化
専門買取業者であれば、調査・査定・契約・決済まで最短3日で完了。共有関係の複雑さも、買取業者がすべて引き受けます。
3
完全プライベート取引
物件サイト掲載なし・看板設置なし・業者間情報流通なしの完全プライベート取引。他の共有者・親族にも知られず売却できます。
4
買取後の対応は業者が引き継ぎ
売却後の他の共有者対応(連絡・交渉・共有物分割請求など)はすべて買取業者が引き継ぎます。売主様は一切関わる必要がありません。
| 項目 |
内容 |
| 所要期間 | 最短3日〜2週間 |
| 費用 | 完全無料(諸経費すべて買取価格に含む) |
| 買取相場 | 物件全体市場価格×持分比率×30〜70% |
| 注意点 | 物件全体ではなく持分のみの価格 |
解決方法⑤:共有物分割請求(裁判所)
共有者全員と協議が成立しない場合、最終手段として「共有物分割請求」があります。裁判所を通じて強制的に共有関係を解消する手続きです。
共有物分割請求(民法258条)は、共有者の一人が他の共有者を相手取り、裁判所に共有関係の解消を求める制度です。判決により、以下の3つの方法のいずれかで強制的に解決されます。
A
現物分割
土地を物理的に分筆し、各共有者が単独所有する土地を取得する方法。広い土地で各共有者の利用要求が両立できる場合に有効。建物の現物分割は通常困難です。
B
代償分割
一人の共有者が単独取得し、他の共有者に持分相当の代償金を支払う方法。取得希望者が資金を用意できる場合に成立します。
C
換価分割(競売)
裁判所が物件を競売にかけ、売却代金を持分比率で分配する方法。市場価格を大きく下回る金額で売却されるリスクがあります。
| 項目 |
内容 |
| 所要期間 | 6ヶ月〜2年 |
| 費用 | 弁護士費用30万〜100万円+訴訟費用 |
| 所在不明者の対応 | 公示送達等で訴訟継続は可能 |
| リスク | 換価分割なら市場価格より大幅安に |
⚠️ 共有物分割請求は最終手段
共有物分割請求は時間・費用・労力が大きく、関係も悪化します。「他の方法を尽くしても解決しない場合」の最終手段として位置づけるのが現実的です。
5つの方法を比較|期間・費用・成功率
解説した5つの解決方法を、期間・費用・成功率の3軸で比較します。
| 解決方法 |
期間 |
費用 |
向いている状況 |
| ①住民票・戸籍追跡 | 2〜8週間 | 5〜30万円 | 短期不明・国内転居 |
| ②不在者財産管理人 | 6ヶ月〜1年 | 60万〜130万円 | 所在不明・物件全体売却希望 |
| ③失踪宣告 | 6ヶ月〜1年 | 30万〜80万円 | 7年以上生死不明 |
| ④★共有持分のみ売却 | 3日〜2週間 | 無料 | 最速で解決したい |
| ⑤共有物分割請求 | 6ヶ月〜2年 | 30万〜100万円 | 他の方法で解決困難 |
「最速・低コスト・確実」で解決したいなら、共有持分のみの売却(④)が圧倒的に有利です。一方、物件全体を取得したい場合や、他の共有者との関係を悪化させたくない場合は、①〜③のステップを踏みながら、必要に応じて⑤に進む形になります。
千歳不動産での対応の流れ
千歳不動産は、関東1都6県で共有持分専門の買取を行っており、所在不明共有者がいるケースも多数対応しています。
1
無料相談・状況把握
電話・メール・LINEで物件のご住所・共有者の状況をお伝えください。所在不明者の有無も含めて伺います。
2
共有関係の調査
登記情報・戸籍を確認し、他の共有者の状況を整理します。所在調査が必要な場合は連携司法書士・弁護士が対応。
3
解決方針のご提案
「持分のみ売却」「物件全体売却(不在者財産管理人選任)」など、お客様にとって最も有利な方針をご提案します。
4
買取価格のご提示・契約
調査結果をもとに正式な買取価格と契約条件をご提示。対面・オンライン・郵送のいずれもOK。
5
決済・以後の対応引き継ぎ
司法書士立会いで決済完了。買取後の他の共有者対応・法的手続きはすべて当社が引き継ぎます。
千歳不動産の共有持分買取は、所在不明共有者・数次相続・関係悪化など、複雑な案件こそ得意領域です。連携弁護士・司法書士による法的サポートも込みで対応。詳しくは共有持分買取の専門ページをご覧ください。
よくあるご質問
Q
共有者が10名以上いて、半数以上が連絡不能です。それでも対応可能ですか?
A
可能です。当社では数次相続で共有者が多数に及ぶケース、半数以上が所在不明のケースも対応実績がございます。あなたの持分のみの売却なら、他の共有者の人数や状況に関係なく進められます。
Q
共有者の一人が認知症で意思確認できません。どうすればよいですか?
A
認知症の共有者の持分を扱う場合、成年後見人の選任が必要です。当社では連携弁護士・司法書士が成年後見人選任から不動産売却までサポートします。あなたの持分のみであれば、認知症の共有者と関係なく売却可能です。
Q
海外移住した共有者がいます。連絡先も不明です。
A
可能です。住民票が日本にない場合でも、戸籍調査で在外公館への問い合わせや、外務省の在外邦人調査を通じて所在確認できる場合があります。それでも判明しない場合は、不在者財産管理人選任で対応します。あなたの持分のみの売却なら、所在確認は不要です。
Q
不在者財産管理人選任の予納金は戻ってきますか?
A
管理が完了した時点で、使用しなかった分が返還されます。ただし、管理人報酬・実費・税金などで全額消費されることもあります。具体的な返還額は、ケースバイケースで管理人が判断します。
Q
失踪宣告された共有者が、後から見つかった場合はどうなりますか?
A
失踪宣告は家庭裁判所への申立で取り消すことができます。その場合、失踪宣告に基づいて行われた相続・財産処分は原則として無効になりますが、善意の第三者には対抗できません。当社で買取済みの物件は、原則影響を受けません。
Q
共有物分割請求の競売で、私の持分はどれくらいで売れますか?
A
競売では市場価格の50〜70%程度になることが多いです。さらに、競売手続きの費用や時間も差し引かれます。当社の共有持分買取の方が、結果的に手取りが多くなるケースが大半です。
Q
調査の結果、共有者がすでに亡くなっていることが判明したらどうしますか?
A
亡くなった共有者の相続人を特定し、その方々が新たな共有者となります。相続人が多数の場合でも、当社は数次相続対応の実績が豊富ですので、お任せください。あなたの持分のみの売却なら、相続関係の整理を待つ必要はありません。
Q
まず無料で相談だけでも可能ですか?
A
もちろん可能です。ご相談・概算査定・現地調査・正式査定のすべてが完全無料で、査定後にお断りいただいても費用は一切発生しません。押し売りや追客のご連絡もいたしません。
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